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採桑⽼ 72 / Saisourou 72
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Year: 2000
Medium: oil, acrylic on canvas, mounted on wood panel
Dimensions: 120 x 103 cm (47 1/4 x 40 1/2 in.)
Acquired from SBI Art Auction, 2025
「採桑⽼」とは舞楽の演目で、舞えば死期が近づくとも。100歳まで齢を重ねていく老人の様子を舞うとされるが伝承が途絶えており、現代になって復舞されたものは東儀家に伝わる覚書等から再構成された。桑を採る老人、おそらくは不良長寿の薬を探し求める者のことであろうとされる。古くは桑は長寿の妙薬とされたほか、桑を用いる養蚕(中村の生家の家業でもあった)は弥生の時代から日本でも人々の生活を支える重要な産業であった。抽象表現主義を乗り越えんとする中村にとって、西洋とは異なる文化・産業の象徴を自らに縁のある桑に見出すことは不自然ではないだろう。「採桑⽼」の後に始められたシリーズ「織桑鳥」では桑を織る鳥と書いてフェニクスと読ませるが、東洋・日本的なる桑と蚕業に関する思考から中村の死生観は展開していく。本作では明るい緑とオレンジが交錯する。「採桑⽼」を舞う演者の柔らかな動きとも評されるが、それまでの作品に見られた鋭く物質的な筆触とは異なり、ともすれば震えるかのような軽妙な線猫や互いに滲み合う色彩の様子は確かに老いた賢者の枯淡な振る舞いを想像させる。