KAZUMI NAKAMURA
中村一美

採桑⽼ 17 / Saisourou 17
1956年千葉県生まれ。1981年東京藝術大学芸術学科卒業、1984年東京藝術大学大学院美術研究科油画専攻修了。1980年代から精力的に制作発表を続けており表現主義的な初期の「Y型」に始まり、その連続形としてスタティックな「斜行グリッド」を展開、弧形を取り入れて静的な構図を破り豊かな空間的表現へとさらなる発展を見せた「開かれたC型」、より破調を強めた「連差-破房」や「斜行グリッド」の三次元的変奏としての「破庵」、雅楽を題材に取り入れた「採桑老」においては聖性と死を、「死を悼みて」においては鎮魂を、「織桑鳥(フェニックス)」においては死と再生を、シリーズを跨いで通底するテーマを描き続けている。絵画は一枚によってではなく複数の他作との差異においてこそ意味を持ち得るのだとする「示差性の絵画」を提唱している。主な個展に、2002年いわき市立美術館、2014年国立新美術館(東京)、2023年川越市立美術館など。1980年代以降国内外で多くの国際的展示において紹介されている。東京国立近代美術館、東京都現代美術館、豊田市美術館、レイキャビク美術館(アイスランド)、釜山私立美術館(韓国)などが作品を所蔵する。著作に、自身の絵画理論を編纂した『透過する光 中村一美著作選集』(2007年・玲風書房)がある。