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昨日の空を思い出す 奈義町(岡山)、2024年6月14日 / Thinking of Yesterday’s Sky Nagi town(Okayama), 14th June 2024
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Year: 2025
Medium: archival print
Dimensions: 33 x 49.5 cm (13 x 19 1/2 in.)
Acquired from Maho Kubota Gallery, 2025
「昨日の空を思い出す」は2022年から継続して制作されている。透明のグラスの中に満たした水、その水中には雲が浮かぶ。このプロジェクトのためにINOMATAが独自に制作した液体3Dプリンタによって、水中にミルクの雲が彫刻される。本作はそれを写真に収めたものだ。作品に付された特定の日付や場所は、この作品が作られた前日、その場所で観測した空の様子であることを示している。コロナ禍にあって窓から空を眺めて過ごしている時に着想されたという。グラスの中で水に浮かぶミルクの雲は長い時間その姿を保持しない。次第に水に溶けかき消えていく雲は、自然の雲がひとときとして同じ形のままでいないように、瞬間的で儚い彫刻なのである。本作はその儚く消えていくはずの雲を惜しむようにして、写真というメディウムによってある一瞬の姿を凍結している。形ある事物、定型のない現象、そして私たちの命や体、それらはいずれその形を無に帰していく。雲という現象が作り出す造形を、これもまた人の手によらない創造の形であるのだとINOMATAの制作テーマに倣って受け止めた時、私たちはその儚く現れる造形の中にもこうして芸術的なるものを感得することができる。私たちが永遠を何かの中に信ずる時、それは私たちの生きる時間よりも少しだけ永らえる性質のものをそう呼んでいるに過ぎない。いつしか消える、その逃れられない宿命を私たちが能動的に受け入れるために、水中の雲はグラスに注がれて飲むべきものとして供された。