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幸せの四葉のクローバーを探すドローン
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Year: 2023
Medium: 4K Video,Sound,Monitor Display
Dimensions: 2 monitor displays: 83 × 145.5 cm (32 7/10 × 57 3/10 in) each
Running time: 9min. 26sec. Loop
Edition: 4 of 5 + 3 A.P
Acquired from KOTARO NUKAGA, 2024
2枚のモニターが並べられ、一方はクローバーの群生を、もう一方はAIによる画像解析情報が示されている。本作は、統計的には0.001~0.01%の確率程度で発現するとされる四葉のクローバーを、AIとドローンの組み合わせによって見つけ出す、というもの。四葉のクローバーは幸運の印として知られる。自然の環境下で見つけるとなればおよそ千のうちに一つという難しさゆえである。現代において、ドローンもAIもさまざまな産業的技術利用がなされ、軍事的にもそれは同様である。本作を見てみると、ドローンがクローバーの群生地を空撮し、その映像データをAIが瞬時に解析し、画像内にある四葉らしき造形を赤くマークしていくようにプログラムされているようだ。誤謬も多いが、かなりの正確性で四葉が選り分けられていく。人間の能力では幸運の象徴となるほどに困難とされる行いが、いとも簡単にクリアされていく。本作を前にして鑑賞者である人間は、テクノロジーによって恐ろしいスピードで幸運が希釈されていく様子を目の当たりにするのである。テクノロジーは、理想的には人の幸福のために発展していくはずだが、それが極端に行きすぎた時には、私たちが人間らしさを実感する幸福そのものを奪い去っていくのかもしれない。