Untitled
Year: 2024
Medium: polyester sheeting
Dimensions: Wall: 240 x 335.3 x 74 cm (94 1/2 x 132 x 29 1/8 in.), Window: 96 x 259 cm (37 3/4 x 102 in.)
Acquired from Pace Gallery, 2025
窓に面して立てられた壁に長方形の開口が設けられており、そこにポリエステル製のフィルムシートが幾層にも折り重なるようにして置かれ、優美な襞を作り出している。窓から差し込む外光が襞の中を潜り抜けるとき、シートが作り出す滑らかな曲面を屈折しながら鑑賞者の目に幻想的な光景となって届く。作品の向こう側にある窓越しの景色、作品と窓の間を歩く人の影、陽が上り傾くまで変化し続けるその日一日の光を内に宿していく。ドノヴァンは様々な素材を用いる作家として知られるが、素材が持つ特性に対しその有用性とは切り離された視点から向き合うことによって思いもよらない現象を生み出す。本作で用いられているフィルムシートは、すぐれた耐熱性、薬剤耐性、耐水性を有しているため環境要因によって変化しにくい。紙より保管性に優れるため、通常は精密な再現性が求められる重要な製図資料などの用途に供されるものだが、ドノヴァンによってそういった利便性との絶縁がなされることによって、素材の純粋な特性が現象となって立ち現れてくるのである。
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