ROY LICHTENSTEIN
ロイ・リキテンスタイン

Entablature V (Corlett 142)
1923年NY(US)生まれ、1997年没。1940年Ohio State University美術学部に入学、戦役をはさみ1949年に修士号を取得。キャリア初期はグラフィックデザイナーとして活躍した点でもウォーホルに似るが、さらに意外なことに画家としての出発点は抽象絵画である。よく知られるコミックの一コマを拡大した絵画の第1作目はミッキーマウス(1961年)を描いている。以降は大衆的な象徴や、ピカソなどのマスターたちの作品、「ブラッシュストローク」シリーズなど、ポップアートの旗手として国際的に高い評価を手中にする。印刷物を模倣することで、絵具の質感や筆致の巧みさなどといった絵画らしさを剥ぎ取るような批評性を強く感じさせると同時に、漫画やテレビ俳優の演技など、大衆的な文化の中にある表現の再発見を絵画というフィールドに持ち込んだのである。ウォーホルが複製の芸術表現を切り開いたとすれば、リキテンスタインは大衆文化と美術表現とをあっさり平均化してしまったのである。