YAYOI KUSAMA
草間彌生
草間彌生
1929年長野県松本市生まれ。「無限の網(Infinity Net)」、「かぼちゃ」などのアイコニックな作品で世界中から敬愛され、紛れもなく現代日本における最重要作家の一人。幼少期から幻覚や幻聴に苛まれ続け、あらゆるものを覆い尽くすようなドットやネットは草間自身の心を守るべくして描かれている。1950年代後半には渡米し、キャリア初期には「ハプニング」(パフォーマンス)や、男性器を思わせる彫刻作品など、旺盛な制作を続け「前衛の女王」と自他ともに認める存在へと上り詰めていく。ジョゼフ・コーネル、ドナルド・ジャッドなどの当時のアメリカにおけるアートシーンの牽引者たちからの評価、俗にクレス・オールデンバーグに「ソフト・スカルプチュア」のインスピレーションを与えたと言われる先駆性は他に類を見ず、今現在に至るまで溢れ出る創造性は一向に枯渇する気配を見せない。1993年ヴェネチアビエンナーレ日本館代表、2011年〜2012年にかけて巡回展「YAYOI KUSAMA」はソフィア王妃芸術センター(マドリッド)、ポンピドゥー・センター(パリ)、テート・モダン(ロンドン)、ホイットニー美術館(NY)にて開催、人気を不動のものとした。ルイ・ヴィトンとのコラボレーション(2012年〜)ではデザイナーのマーク・ジェイコブスと協働。
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Title: 波は打ちよせる
Year: 1978
Medium: enamel on paper
Dimensions: 27.2 x 24.2 cm (9 1/2 x 9 1/2 in.) -
Title: かぼちゃ(GT)
Year: 1996
Medium: screenprint with color (raisonné No.229)
Dimensions: image: 29.8 x 22.8 cm (11 3/4 x 9 in.) sheet: 40.0 x 32.5 cm (15 3/4 x 12 3/4 in.) -
Title: 靴を履いて野にゆこう / Going to the Field with Shoes On
Year: 1979
Medium: Screen print in colors
Dimensions: 50.5 x 65 cm (19 7/8 x 25 5/8 in.)
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波は打ちよせる
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Year: 1978色紙にエナメル・スプレーペイントを施したシリーズで、1978年前後に多数制作されている。この年、草間は初の小説『マンハッタン自殺未遂常習犯』を出版している。当時パートナーであったジョゼフ・コーネルと死別し、草間自身も心身に問題を抱えて日本へ戻り入院生活にあった。それまでNYにおいてハプニングの女王とまで呼ばれた活躍の日々から大きな転換点を迎えていた時期でもある。すでに「無限の網 / Infinity Nets」シリーズにおいて画家として一定の評価を獲得していた草間だが、草間の代名詞的な網のモチーフを発展させたものとして本作のスプレーペイントのシリーズがある。網目を通して画面に定着した3色が幻視的に折り重なり、小さな作品ながらも草間の脳裏にある広大なヴィジョンが描き出されている。草間の網がなぜ「無限の」と冠されているのかの理由の一端が窺い知れるだろう。
Medium: enamel on paper
Dimensions: 27.2 x 24.2 cm (9 1/2 x 9 1/2 in.)
Acquired from SBI Art Auction, 2022
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かぼちゃ(GT)
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Year: 1996草間彌生の最も人気シリーズであるドットの南瓜。草間にとって、南瓜は人間の比喩であり、自画像でもあると言われる。幼少から幻聴や幻覚に苛まれ、強迫観念的にドットやネットを描き続けている草間。彼女の孤独が、一つとして同じ形のない個性を発現しやすい南瓜に重なる。であればこそ、草間の描く南瓜はどれもひどく歪んではいるが、それがむしろ愛おしくも見えてこよう。
Medium: screenprint with color (raisonné No.229)
Dimensions: image: 29.8 x 22.8 cm (11 3/4 x 9 in.) sheet: 40.0 x 32.5 cm (15 3/4 x 12 3/4 in.)
Edition: No. 6 of 120
Acquired from SBI Art Auction, 2022
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靴を履いて野にゆこう / Going to the Field with Shoes On
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Year: 1979世界で最も敬愛される女性アーティストの一人である草間彌生の、最初に作られた版画作品２シリーズのうちの一点。本作と、「幻の野に立ちて」が1979年に刷られたのを皮切りに、現在では数百もの版画作品が存在し、いずれも世界中で高い人気を誇っている。靴(ハイヒール)は、草間にとっても重要なモチーフの一つであるとされ、最初期のペーパーワークやソフトスカルプチャーなど、靴を題材とした作品は今に至るまで数多く制作されている。本作では靴を埋め尽くす網状の描写が見られ、あえて言うまでもなく「Infinity Net」のそれである。
Medium: Screen print in colors
Dimensions: 50.5 x 65 cm (19 7/8 x 25 5/8 in.)
Edition: No.65 of 100
Acquired from UMI Gallery | The Museum of Contemporary Art, Karuizawa, 2022