CHEN WEI
チェン・ウェイ
チェン・ウェイ
1980年浙江省(CN)生まれ。2002年、浙江メディア通信大学を卒業。写真を主体とした作品を制作し、中国の新世代のアーティストとして注目を集めている。チェンの作品は、スナップ写真ではなく、スタジオで精巧な模型によるセットを作って撮影されている。自身も含めた中国に住まう人々が現代社会において抱える諸問題への不安や未来への希望が作品に仮託している。そのためか、一見何気ない街の風景であっても、どこか寂寥とした映画の一場面を切り抜いたかのような詩性を讃えている。LEDライトボックスを彫刻的に扱ったインスタレーションなど、写真以外の手法でも鋭い表現力が高く評価されている。第12回光州ビエンナーレ(2018年、韓国)のほか、国際展、中国内外での美術館展示多数。
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Title: Fragment
Year: 2019
Medium: laser print, LED light box
Dimensions: 76.7 x 93 x 13 cm (30 1/4 x 36 1/2 x 5 in.)
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Fragment
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Year: 2019タイトルにある通り、多数のガラス瓶と思われる破片が雨に濡れた路上に無数に散らばっている。繁華街の夜だろうか。水たまりにネオンサインのライトが反射し鮮やかな絵具を振りまいたような様子は絵画的ですらある。雑踏から一歩離れた路地裏の様な静かな、しかし狂気に満ちた張り詰めた空気が見事に写し出されている。ガラスの破片が散らばるような場所に、安全な場所からその様子に美しさを感じるような暴力的な感傷を鑑賞者に自覚させる。そういう力のある作品である。チェンの作品はこのリアリティある情景を、映画さながらにスタジオのセットで撮影している。いわゆるコンストラクテッド・フォトグラフィ、あるいはセットアップと呼ばれる、街中のスナップ写真やストレート・フォトの理念とは逆の態度であり、例えばバンクーバー・スクールを標榜したジェフ・ウォールらの美術史を強く意識したハイ・コンテクストな写真表現の現代的な傍流であるとも言えるだろう。
Medium: laser print, LED light box
Dimensions: 76.7 x 93 x 13 cm (30 1/4 x 36 1/2 x 5 in.)
Acquired from Ota Fine Arts, 2022