SUSUMU KAMIJO
ススム・カミジョウ

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1975年長野県生まれ。2000年にオレゴン大学ドローイング科を卒業、2002年にワシントン大学絵画ドローイング科を修了。特にプードルをモチーフとした作品シリーズ(2014年〜)で知られる。プードルという犬種は体毛のカット・バリエーションも多く楽しまれる他、品種改良を繰り返した末に不自然に矮小化したものもある。人間主観から見れば極めて造形的な生き物であると言える。カミジョウの作品では、モチーフの造形が抽象化され、大まかなパーツを単純な輪郭に捉え直していく。その抽象化、あるいは単純化のプロセスの中で、実際のプードルにはあり得ない予期せぬ色彩が与えられたり、点描などの装飾的要素が付加されていく。カミジョウの抽象化においてプードルは身体性を剥奪され、ブロック状に断片化する。しかしながら、大胆に捉え直された身体はよりプードルの運動性、躍動感を増幅させている。一点、顔の表情についてだけは抽象化ではなく擬人化とも呼べるような異様さを備えている。目玉や牙を剥き出しにしてこちらを伺っているもの、髭や目元がまるで攻撃的な角のように表された物など、プードルが知能の高い犬種であるという事実以上に精神性がそこに表現されているように思えてならない。欧米を中心に展覧会が相次ぎ、評価が高まっている。2017年に画集『Poodles』(Pacific社)を出版。