MIYA ANDO
ミヤ・アンドウ

Shou Sugi Ban Silver Redwood 12.3
1973年ロサンゼルス(US)生まれ。1996年、カリフォルニア大学バークレー校で東アジア学の学位取得、1996年にイェール大学、1997年にスタンフォード大学にて同分野の研究を進める。1997年に岡山の金工工房にて技術を学んだのち、2009年にパブリック・アート・アカデミー(ノーザンカリフォルニア)にて修了証取得。金属や木材等を主な素材として、絵画、彫刻、インスタレーションなどの作品を制作している。東洋的な思想、仏教などに見られる世界観と、西洋美術のコンテキストを融合させている。仏像や仏画における様々な持物(Attribute)は西洋絵画に見られるそれと同じように特定のオブジェクトの象徴性によって、描画対象の属性と背景にある物語を記号化し絵画の中に取り入れている。仏教美術に関する図像学を学んだアンドウにとって、この東洋におけるシンボリズムを知ることは西洋のアカデミズムの延長上にある自らを含む現代美術において特に重視される「コンセプト」の更新を促したことだろう。アンドウが作品に採用する素材は、永続性や不変性の象徴と見做されている。仏教が説くところの「劫」にあたる。金属も木材も、厳密には酸化や腐敗によって現時点の状態は崩れていくものの、長いスパンで捉えればそれそのものを構成している物質は姿を変えて流転し、消滅することはない。それはひいては万物に当てはまる。移ろいゆく光や形を留め得ない雲などアンドウの作品に多用される刹那的な時間の表象は、そこに内包される永劫の時間へと私たちの感性を導く。アジア・ソサエティ・テキサスセンター(2019年)やイサムノグチ美術館(2018年)での個展や第 56 回ヴェネチアビエンナーレへの作品参加などがある他、ロサンゼルス・カウンティ美術館、デトロイト美術館、などの主要美術館コレクションに作品が収められている。