ETSUKO IWAO
岩尾恵都子
岩尾恵都子
1968年東京都生まれ。1993年、多摩美術大学大学院美術研究科修了。山や空、植物、建物などのモチーフを描くが、かなりデフォルメされていたり、思いもつかないような色彩に置き換えられていたり、非現実的な世界観が広がっている。「ストーリーはいつも不完全…… 色を想像する ライアン・ガンダーが選ぶ収蔵品展」（東京オペラシティアートギャラリー、2021）、「クインテットⅡ―五つ星の作家たち」（東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館、東京、2015）「VOCA展2000」大賞・上野の森美術館(東京)、第一生命株式会社(東京)、府中市美術館(東京)、東京オペラシティアートギャラリーに作品が収蔵されている。
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Title: 多摩童子 2
Year: 2021
Medium: oil on canvas
Dimensions: 72.8 x 60.6 cm
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多摩童子 2
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Year: 2021夜の街だろうか。高く聳える一基の鉄塔のようなもの、そして濃紺に広がる夜空へ光が吸い込まれていくように、多数の光の粒が散っている。そして青白い山並みは大きく横たわる人影のように見える。その瞳は地上に向けて視線を落としている。どことなく不安を抱かせる内容ではあるものの、透き通るような色彩がそれを散じる。境界線で絵の具が滲んで、濃紺から白の大きなコントラストを柔らかく見せている。夜の漁火や丘から見下ろす夜景のように、遠くに見える光には人が生きる証を感じるものだ。白く横たわる人影の瞳は冷たく鋭い眼差しを湛えているものの、画面上にある他の何より一層激しく灯っており、生命の象徴を見て取れるように思われる。
Medium: oil on canvas
Dimensions: 72.8 x 60.6 cm
Acquired from Galerie Tokyo Humanité, 2022