USHIO SHINOHARA
篠原有司男

pink and purple on pastel yellow
1932年東京都生まれ。1952年東京藝術大学美術学部油絵学科に入学、1957年に同大学を中退。在学中の1955年より読売アンデパンダン展に出品するなど旺盛に発表活動を続け、1960年には吉村益信や赤瀬川原平、荒川修作らとともに「ネオ・ダダイズム・オルガナイザーズ」を結成、篠原はその活動マニフェストを起草した。60年代の日本現代美術の傾向を象徴する「反芸術」(東野芳明)を体現する作家の一人。ロックフェラー三世基金・アジア文化交流プログラムによって渡米後は、ニューヨークを拠点に活動を続けている。ボクシンググローブに絵具を付け、キャンバスを殴りながら描く「ボクシングペインティング」や、ラウシェンバーグやデュシャン、ジャスパー・ジョーンズなどの作品を大胆に引用した「イミテーションアート」、絵具をぶちまけた廃材・ダンボールなどを強引にオートバイとして組み上げる「オートバイ彫刻」など、破天荒な作風で知られる。個性的なキャラクターから「ギューちゃん」の愛称で広く親しまれる。2013年には有司男・乃り子夫妻に密着したドキュメンタリー「キューティー&ボクサー」が公開され、同作は2014年の第86回アカデミー賞・長編ドキュメンタリー部門にノミネートされた。MoMA(NY)、リヨン現代美術館、プラハ国立美術館、国立国際美術館(大阪)、東京都現代美術館など、美術館コレクション多数。2012年にはNY州立大学のドースキー美術館での個展、2015年からダラス美術館、ウォーカーアートセンター、フィラデルフィア美術館を巡回した「Ijnernational Pop」、同じく2015年にテート美術館の「The EY Exhibition:THE WORLD GOES POP」展、2017年には刈谷市美術館での個展、2021年にはプラダ財団(ベニス)でアーティストのピーター・フィッシュリのキュレーションによる「Stop Painting」に参加するなど、近年ますます国内外での評価を高めている。